飲食店を開業しようと決意し、今まで貯めておいた銀行の預金通帳を見ると・・・
開業資金はこれで本当に足りるのか?
または。
この資金を使いどのくらい借り入れができるのか?
を考えると思います。
自分でいいな、と思って動いていた案件が手元の資金では足らず、借り入れに頼らざる負えない状況になって、開業している飲食店の数は驚くほど多いです。
物件が決まり資金調達をして「いざ開業!」の道のりは思っている以上に険しいです。
このページでは、飲食業を開業するにあたり、どのような資金計画で進めればいいのかを解説していきます。
開業資金の罠
例えば開業するに当たって1000万円のお金が必要だとします。
あなたは現在いくら貯金がありますか?
もしあなたが10万円程度のお金しかないなら、今の時点での開業はやめておいたほうがいいです。
なぜなら1000万単位のお金をこれから動かすのに、数十万しかないようでは、もしお店がピンチになった時に乗り越えることができないからです。
それに開業する資金が1000万円は設備資金の話です。
お店を毎月運営するための運転資金の計算が中に入っていません。
開業からわずか半年で閉めたお店は、運転資金がなかったから耐えられなかった。
このような話は、飲食業界に長く居れば多く聞くことになります。
ではこの1000万円を、どのくらいを開業資金としてつかうことができるのか?
ですが、ざっくりしていますが700万円以内を開業資金に回すことです。
なぜ7割なのかというと、先ほど書いたように運転資金の確保もありますが、他のお皿やグラス類、電話機、インターネット環境・・など。
他にも資金を使うことになるからです。
私の体感だと1000万円の規模のお店で、お皿や備品などに使えるお金は80万円くらいです。
逆に80万円を超えるような備品を望むようであれば、今はあきらめたほうがいいです。
使えるお金を先に知ることが賢明
飲食店を開業するとなると、規模にもよりますが家を一軒買えるくらいすることもあります。
はじめ居抜き物件などで開業して、儲かりだしたら移転する考えもいいとは思います。
しかし、場所を変えることがリスクになることにも繋がりやすいです。
必ずしも初期投資を抑えすぎるのも良くないように感じます。
あなたの貯金額で、借り入れができる資金(融資額)が決まるようなものなので、将来、飲食店を持ちたいのであれば、今からコツコツと貯金をしておいたほうがいいです。
その上で、概算でもいいので融資額を低く見積もりながら、事業計画を練り開業したほうが賢明で堅実です。
もしここで開業した。となると…
一気に支払いの波があなたに押し寄せてきます。
そうなる前に、あらかじめ使えるお金(開業資金)、運転資金、雑費などに分けておいたほうが、後々開業してから慌てないで済みます。
お金の問題はとにかく慌てないで対処することが大事です。
それでも「いざ開業してみる」と、思っている以上にお金が出ていくのが飲食店です。
もしものために、複数の資金調達手段を探しておいたほうがいいでしょう。
そのなかで注意してほしいことがあります。
これも当たり前だとは思いますが、サラ金などの怪しいお金の貸し借りをしている場所や人には近づかないことです。
もし近づいてしまい、あなたの弱みを握られて犯罪に加担するようになってしまったら、お金の問題だけでは済まなくなります。
私の長年の知り合いで、毎月末の支払いの苦しさから、金融系のクレジットカードで現金を引き落としている店主がいます。
彼はその資金を給料袋にいれて、スタッフに配っていました。いくら銀行系のクレジットとはいえ、そのような借り方をしていたのでは、いつかは返せなくなり、お店がなくなるとともに経営者も悲惨な人生になってしまいます。
使えるお金を把握しておく事は、今後あなたが立派な飲食店経営者になるために必要な事です。
ここは上手に学び乗り越えていってください。
金融系の人は開業(創業)の時に、どのくらいあなたの情熱があるのかを見ています。
お金の問題は経営者であれば、ずっと付きまとう事になるので、ここで多少苦労しながらも、様々な方法を探してみてください。