これは料理こそが、お店の「売り」として考えている専門の飲食店に多いです。
初めに残酷な事実をお伝えしなければなりません。
それは。
「料理が美味しい=繁盛店」ではない事実です。
この後でも説明しますが、日本は世界でも有数のグルメ大国です。
他の国に旅行に行けば分かると思いますが、日本ほど多種多様な飲食店があって、どこで食べても料理が美味しくないお店がない、というくらい世界的にみてとても珍しい国なのです。
あなたにお聞きしますが、街にあるとても寂れた飲食店に入って、料理を注文します。
出てきた料理が「不味くて食べれない」ってことありますか?
まず聞いたことがないと思います。
仮に、そのようなお店があってとしても、お客さんが来なくなるのですぐに潰れてしまいます。
これがグルメ大国と言われてる状況なのです。
私は以前。海外に住んでいたこともあったのでよく知っていますが、海外ではお金を払ってるから、美味しい料理が出てくる保障なんてどこにもないくらい当たりハズレが多いです。
日本で商売をしている限り、料理に関してはレベルが高いので、今以上の料理技術や味を追求しても、周りのライバル店も同じことを考えています。
つまり、料理の味で客寄せをしようとする方が無理があるのです。
では、どのような目的と夢を持って飲食店を日々経営していけばよいのか、は
これから続く記事をお読みになると理解できるでしょう。
今まで良いと思っていた方向から別の方向に変わるように感じますが、世界中にある飲食店は全て、同じ目的のために存在しています。
何度もお読みになり落とし込んだほうが、理解も早まり早く成功するお店になることができます。
経営と料理を別に考える
他の記事でもご紹介していますが、飲食店を営む目的とは営業しながら利益を出し続けることがです。
経営とは、この先も続けられるように常に収支の計算をして、効果的な投資をおこない利益を増やすことです。
いい料理をお客さんに出すこと自体。
とても素晴らしいと思いますが、その料理を出してどれだけの売上や利益という成果につながるのでしょうか?
残念ながら、いい料理を作ろうとすると原価や人件費などが掛かります。
良い材料を仕入れようとすればするほど、食材原価は利益を圧迫します。
仮に、利益を圧迫したとしても、さらに高単価のお客さんが集客できて、売上を伸ばすことができたらどうでしょうか?
売上が上がると同時に、利益も倍増すればいいのですが、前述しましたが、いい料理を出そうとすればするほど食材原価。
スタッフの数を必要以上に多く揃える必要なあるので、経費が上がります。
それにいい料理がすべて売り切れれば、多少は売上にはなるでしょう。
でももし。残ってしまったらどうなるでしょうか?
それがロスになり、ロスが続くことで利益を圧迫することになります。
このような視点で考えると、料理に対して過剰なまで原価を掛けすぎたり、いい料理を出すことだけに執着し続けると、間違いなくお店の経営は傾きます。
「いい料理を出して喜んでもらいたい!」
そのような気持ちがあって、飲食店をしていると思いますが、それは経営が成り立っているからできることなのです。
この先もお店を続けられるように、上手くバランスを取って経営をした方が良さそうですね。
料理コンクールの行きつく先
始めに述べましたが、飲食店を経営することは料理コンクールでもないし、料理自慢大会でもありません。
目的が違います。
もし、あなたが自分の料理を世の中に認めてもらいたい、このように思っているならば、わざわざ大金を背負って飲食店を経営するよりも、雇われとして一人の料理人として生きた方が幸せです。
その方が好きな料理を作れるし、原価や売値も経営者ほど気にする必要はありません。
飲食店の料理コンクールや、SNSなどで写真を公開しているような料理自慢大会に出たところで、優勝したとしても賞金はありませんし、もちろんトロフィーもでません。
せいぜいあるのは、ブログやグルメサイトでの上から目線からの悪口か、的をえていない評価くらいのものです。
そんな評価のために、あなたは大金を背負って経営をすることが、真の目的でしょうか?
それよりも飲食店を経営することを隔てて、食材を使ったり雇用を生んだり、住んでいる地域や、取引のある地域に経済の貢献をする方が、会社やお店として大変意義のあることだと思います。
料理がいいから繁盛するのではない
料理が客寄せになる時代はとっくに終わっています。
それに料理自慢や、料理だけを他店舗から盗み取る経営者がいますが、それも間違っています。
繁盛しているお店をよくみてください。
料理だけが良くて、繁盛はしていないことが分かるはずです。
繁盛店になる要素の一つに「料理」。
なのは間違いないですが、料理コンクールに出てくるような、ものすごいクオリティーの高い料理である必要はありません。
必要以上に料理に、こだわり続ければ続けるほどマニア好みになります。
一部のマニアに愛されても経営はうまくいきませんし、一般のお客さんには受け入れがたい料理やお店となってしまいます。
お店の個性が出ている料理で十分なのです。
このことから分かるように。
決して世の中の繁盛店や、成功しているお店に共通していることは、「料理が良いからお客さんがたくさん来店するわけではない」と、いえるのではないでしょうか。
それとこれも料理を作る職人に多い誤解なのですが、繁盛するという事は料理だけはなく、お客さんに認められているから繁盛をします。
もしあなたが、料理で世間に認められたいのであれば、繁盛店にすることが一番の近道です。
繁盛店はお客さんに認められたり求められたりしなければ。
つまり。
お客さんに必要とされなければ繁盛することはないと、思っておいたほうがいいでしょう。