人は何か商品の購入をとき、比較対象があると購入しやすくなります。

特に、安く見えたり高く見えたりする手法は、商売ではよく行われます。

どのような方法をとるのかというと、価格を始め高く見せておいてから、後に少しずつ価格を下げていくことで、人はよりお徳感を感じるようになります。

例えば、目の前に5千円のワインと、1万円のワインがあるとします。

普通の営業では5千円のワインの方が多く注文が入り、倍の価格で売られている1万円のワインは高いと感じると思います。

しかし、見せ方を変えるだけで180°見え方が変わると言ったらどうでしょうか。

1万円で販売しているワインに前提条件をつけて提案をします。

例えば

定価4万円のワインですが、今月末に棚卸があり、このままこのワインがあると固定資産税が多く取られてしまいます。

税金をそのまま取られるのは嫌なので、早く売りたいと考えています。

「そこで今日だけ、先着3名さまだけに、このワインを1万円でお譲りします。」

いかがでしょう。

かなりお得に感じませんでしたか?

このように先に高い価格を提示して比較対象を出していく方法を、コントラストの原理と呼んでいます。

このページでは、コントラストの原理がもたらす心理を説明します。 

 

高価格帯ほど有利

あなたの、お店のキッチンを作った時のことを思い出してください。

キッチンに導入する什器を販売する業者は、お店の内装などが具体的になってくると“ある”提案をしてくるものです。

什器の必要性を訴えて。

あれも、これも必要と理由をくっつけて販売してきます。

それもあなたに見えるように定価の価格を見せておきながら、目の前でドンドン値段を下げて、あなたに導入してもらおうとします。

キッチンを新しく作るとなると、什器が必要になります。

どんなに小さなお店でも、最低で200万円は必要になります。

そのような中で、キッチンの什器販売の業者は。

値下げをしてくる什器が無理だと思うと、今度は「キッチンの棚を作りますか?」など、別の価格の安い提案をしてくるものです。

200万円に対して、棚が15万円と提示されても、さほど高くは感じないと思います。

このようにして、高額であればあるほど他の商品をオプションにして売れば、総体的に販売価格を上げることができます。

 

日常の場面で使える

この方法は、内装などの什器だけでありません。

あなたが普段、営業をしている場面でも使うことができます。

例えば、宴会などのプラン。

通常のプランに、デザートと食後の飲み物を予め含まれていないプランを用意しておきます。

そのプランを注文したお客さんに、デザートをお一人さま500円で追加できたり、コーヒーなどの食後の飲み物も同価格くらいで販売したらどうなるでしょう。

仮に、そのプランが4000円だとしても、デザートとコーヒーをプラスして5000円の客単価にすることができます。

このようなやり方を、否定的に考えるオーナーや店主がいますが、それは間違いです。

私たちは、ボランティアでお店を営業しているのではなく商売をしています。

商売の基本姿勢である、営業しながら売るを実践していかなければ、一向に収益を上げることはできません。

それに、プラス料金でも注文したのはお客さんの方です。

お店側は提案したに過ぎません。

胸を張って、注文された代金を請求すればいいのです。

 

はじめに悪いものを見せると効果アップ

コントラストの原理は価格に関することだけでもありません。

日常のあらゆる場面で使われています。

例えば、貸し物件を決めたい時にも、コントラストの原理を応用して契約につなげている会社があります。

貸し物件を内見する前に、「ちょうどここも昨日空いたばかりなので良かったら見ませんか」と、話を持ちかけて、その時、わざとこれから見せる物件よりも、かなり劣っている物件を見せます。

あまりいい物件ではないことを隠しておき、借主によくない物件を脳裏に植え付けています。

その次に、本命の決めてもらいたい物件を内見します。

そして「先ほどの物件と坪単価は同じです。」と伝えることで、借主は、先ほどの物件の悪さが残っているので、見せられた物件がよく思えてしまうのです。

このように、実は普通の店舗物件であっても、最初に悪い物件を見ることによって、何度もない物件が素晴らしい条件の物件へと変化してしまいます。

始めに見た物件と、坪単価など同じこと(条件)を伝えることで、比較対象ができてコントラストの原理が働くのです。

ポイントは、「ギャップ」です。

ギャップが大きければ大きいほどいいですし、そこに何らかの理由が加わることで、そのギャップがさらに後押しされるのです。

グルメサイトなどを見ていると、残念な書き方をしているのをよく目にします。

「10%クーポン」を常時発行している飲食店です。

ここまでお読みになれば、すでに理解できたと思いますが、これではギャップは生まれません。

従って、クーポン目当てだけのお客さんか、全く反応のない広告になるのか、どちらかとなります。

そして、そのお店は商売の原理原則を理解せず、自頭を使っていないことが一瞬でバレてしまうでしょう。

コントラストの原理は、普段生活をしていてよく目にする方法です。

気をつけて見ていれば、すぐに見破ることもできます。

しかしながら、上手に活用しているお店や会社があります。

上手に使いこなしている会社と、どこが違うのかなど研究をしたほうが、精度が上がりますし、大きな学びを得ることができます。

悪用厳禁

「フット・イン・ザ・フェイス」

もっともらしい言葉ができてきましたが、この方法を効果的に使うことができれば、商売を上手に軌道に載せることができます。

お客さんの承諾を引き寄せる方法として、始めに断られる前提に無理な要求を仕掛けていき、その上で本当の目的であった小さな目的を通していきます。

そうすると、引き受けてくれたり、客単価をあがる可能性が高くなります。

これを、ドア・イン・ザ・フェイスと呼んでいます。

始めに無理で断られるお願いをする、 本当に注文してもらいたいメニューや、お願いをしたい時、始めに大きな価格の商品を勧める方が、成約率を高めることができます。

例えば、次のようになります。

スタッフ『今フカヒレが美味しい季節ですのでフカヒレがオススメです。』

お客さん『フカヒレは美味しいんだろうけど、今日は予算がないんですよね。』

スタッフ『では、フカヒレの姿煮だとお値段がそれなりに知るので、同じフカヒレを使いながら別の料理はいかがでしょうか。』

『フカヒレ雑炊でしたら姿煮よりも10分の1の価格で食べることができますよ。』

お客さん『それを一つお願いします。』

この場合、いきなり雑炊を注文してください。

とは言っても、ご飯ものの注文は最後の方になるので、中々売ることができません。

そこで、断られるであろう高額のフカヒレの姿煮をオススメしてワンクッションを入れます。

これにより、本来の売りたい商品が売れやすくなる可能性が高くなります。

この方法ですが2つの心理的な要素を含んでいることが分かります。

 

返報性の法則

相手が自分の頼みを断るということ自体は、言って見れば自分が「譲歩した」ということになります。

この時の譲歩は相手に恩を与えることとなり、結果的に罪悪感が生まれます。

そのため、お客さんの方も譲歩に対して「返さなければならない」という気持ちにさせることになるのです。

ただし、注意しなければならないことがあります。

それは相手に対して、あまりにも突拍子もないお願いをし過ぎると、逆効果になってしまいます。

例えば、普段の注文価格が。

1000円に満たない料理ばかりを注文をするのに、35000円のフカヒレの姿煮を提案をしるのはどう考えても不自然ですし、相手にしてもらえないか、不愉快に感じます。

大事なことは、リアル感のある大きな提案やお願いをすることであり、初めから、バカにしているような提案を出したら、それはお店へのマイナスのイメージしかなりません。

ドア・イン・ザ・フェイスはお店でもプライベートでも使えますが、それを意識しすぎると、逆に関係を壊すことにも繋がりかねません。

使い方は慎重にした方がいいかもしれません。