飲食店にとって、ランチの繁盛を夜の繁盛へと繋げたい、と思う店主は多いです。

それに、どの道ランチ営業をするのであれば、もっと売上や利益を増やせないかと考えます。

実際にはランチを営業しても客単価は低く、自分が想像していた繁盛ぶりにはほど遠いことに気がつき、「儲からない」と落胆をしています。

とは言っても、やはりスタッフを雇い、光熱費や材料費などの経費をかけて、お店を開けている限り、売上や利益を上げたいと思うでしょう。

もし、あなたがランチで収益を上げたい、と考えているならば、まともにランチ営業をしても難しいでしょう。

なぜなら、ランチタイムの食事需要を狙っているのは、同業の飲食店だけではないからです。

例えば、コンビニがそれに当たります。

ビジネス街ですと、行商の免許を持った移動キッチンカーで、弁当や簡単な料理を作りお店が出てきます。

このようにランチ激戦の中。

あなたのお店は、他のお店となんら変わらないランチ営業で、儲けを出すことは難しいのではないですか?

この記事では、中小規模で飲食店を経営している店主や、会社単位で小さなお店を店舗展開している経営者。

オーナーの方へ向けて「客席25席くらいではランチは儲からない」の説明をするとともに、ランチの戦い方を伝授します。

そもそもランチの客単価に問題がある

飲食店の形態と、コンビニや移動販売の形態とでは、抱えている商品は似ていてもやり方や経費が全く違います。

移動販売は、もしその場所では商売が難しい、と判断すれば。

別の場所へと移動することができます。
(移動が認められている範囲内ですが)

コンビニは、ランチタイムには包装されている冷たい弁当だけを売っているのではなく、パンや惣菜など食に関するものが様々販売されています。

さらに大企業が経営しているので、コストパフォーマンスに優れている弁当なども並んでいます。

そんな中。

お店のある環境や周りの状況にもよりますが、ランチタイムに、あなたのお店にお客さんが来店する理由はあるのでしょうか。

まずはこのように、外部環境から見た店の、置かれている状況を判断した方がいいです。

そうしないと、的外れな価格設定をしたり。

調理に時間ばかりかかるようなメニューにして、売らなくてはならないランチの売上を逃すことになります。

まず何をするにも。

自分以外のライバル店がどのような価格なのか、セットやコースなどの内容は、集客状況はどうなのかくらいは、把握しておいたほうがいいです。

ランチこそ席数を意識した価格

大手企業が経営しているような、席数が60〜80席あるお店と比べると。

25席くらいのお店では集客力もありません。

大手企業は主に店舗のネームバリューや、同じメニューでも割安感を演出して一気にランチタイムに集客しようとします。

客席の数がもともと少ない小さな飲食店が、そのようなお店と正面切って戦うのは。

ネズミがライオンに向かって自分の縄張りを主張して、戦いを挑んでいるのと同じくらい無謀です。

このようなことが記事に書いてあったり、コンサルタントに言われれば「そうだった。」と気がつきますが、一人で考えている店主や小規模で店舗を展開しているオーナーには中々見えないようです。

なので。

席数が大手企業と比べて圧倒的に少ない場合。

そもそも、大手企業が提供しているような商品(メニュー)の品揃えや価格帯にはしてはならないのです。

例えば、ランチタイムに「麻婆豆腐定食」を販売していたとします。

近くにある大手企業も、ランチに「麻婆豆腐定食」をお勧めしていたらどうでしょうか?

お客さんは大手企業とあなたのお店。

どちらのメニューの方を食べたいと思うでしょう。

もちろん味では、小規模ながら毎日の営業を奮闘している、あなたのお店の方に軍杯が上がるかもしれません。

しかし、お店を選ぶ基準は味だけで決めるものではありません。

例えば、席数や席の広さなども関係してきます。

このように味だけでランチの売上を上げよう、と思わないほうがいいです。

もしそれでも。

ランチを正攻法で売上や利益を上げたい、と考えるならば。

他にはない独自の商品やサービスを提供しているなど、席数などをカバーできるくらい「何かのウリ」を作ったほうがいいでしょう。

ランチはシビアにFLコストを意識する

飲食店経営の判断基準の一つにFLコスト(FL比率)というものがあります。

F(フード)、 L(人件費)、そして売上。

この3つの比率から経営状況を把握して、利益を確保していく方法です。

客席25席くらいの飲食店が、ランチ激戦の中で営業し続ける理由の一つに、FLコストを少しでも下げたい、と考える店主やオーナーが多いです。

もしあなたがFLコストを下げるだけが目的で、ランチ営業を続けるならば、本業であるディナータイムの売上も上がらなくなり、結果的にどっちつかずとなります。

飲食店経営において、FLコストをコントロールすることは利益を残すにはどうしたらいいのか?を考えさせてくれます。

ではなぜ。

ランチの営業を行うとFLコストが下がるのでしょう。

原材料費率を下げるためです。

ディナータイムで、残ってしまった原材料の無駄(ロス)をなくすために、ランチタイムに、その原材料を加工して少しでも売上に繋げて、比率を下げようとします。

この考え方は、どこの飲食店でも行なっている習慣なので間違っているとは思いません。

しかし、お店のことを長い目で見たときにどうでしょう。

ディナーの食材がランチに食べれるとお得だ、という触れ込みで集客をすることになります。

そのおかげで、ランチの集客に成功して売上は上がるかもしれません。

しかし、あまりにランチが人気が出てしまうとどうでしょう。

今まではディナーに来店したいお店だったのが、「ランチだけお得なお店」となってしまいます。

元々はディナーで使う材料を使い、「原材料比率を下げるため」に行っていたことが、ディナーよりもランチの方がいいお店。

このように、自分では全く意図しないブランディングになってしまいます。

これではいくらランチタイムが忙しかろうが、利益が全く出ない、もしくは利益率の悪いお店となってしまいます。

時には譲ってしまうことも必要

これは私が見ているお店の実例です。

そのお店の業態はイタリアンです。

元々そこのお店は。

ランチタイムになると、近隣に勤めているサラリーマンやOLさんが、こぞって通っていたお店です。

しかし、近くに同じイタリアンのお店がオープンしました。

普段は2回転余りするランチが、近隣のお店とランチタイムにお客さんの争奪戦となってしまい。

今では、なんとか1回転すればいい状態になってしまいました。

そんな時。

私が開催したセミナーに参加をされて相談を受けました。

話を聞くと、とてもよくお聞きする話です。

ランチタイムは特別な日の食事よりも、普段の食事の需要の方が多いので、いくらいい料理を出していても、結局は値段となってしまいます。

しかも近隣にオープンしたイタリアンは、何店舗か店舗展開をしている会社が経営しているお店でした。

そのお店をランチタイムに訪れて客層などを見ると・・

ランチメニューの一番下のランクしか注文していません。

この光景を見てクライアントに、ランチ競争からの離脱を考えてもいいのでは?とご提案しました。

では、どのようにしたのかというと…

ディナータイムの客単価を500円程度アップして集客を強化します。

元々、客単価が5800円くらいでしたので、6300円くらいの客単価にするのは簡単です。

その代わりに平日のランチの営業時間を減らしました。

11時45分から1時間だけの営業です。

これでランチは確実に1回転します。

2回転目はどうしたのかというと、新しくオープンしたお店にお客さんを譲ってしまいました。

この施策により。

スタッフの疲弊、原材料のロスを抑えることができ。

無駄がないランチ営業が実現できました。

その結果。ディナータイムに注力できるようになり、客単価を上げることができたのです。

ランチの提供スタイルを考える

ランチは先ほども述べたように、場所にもよりますが、ある程度の規模の都市だと、必ず近隣に会社があります。

なので、メニューの内容が重視されるよりも、利便性や価格で選ぶ傾向が強いです。

客席数の少ないあなたのお店が、わざわざ真正面からランチ戦争の中に参入するにはリスクが高すぎます。

理由は、ランチ戦争のメンバーには大手企業、移動販売、コンビニ、ライバル飲食店…と。

どのお店も同じようなことを考えて、売上を上げようとしているからです。

それでしたら、他のお店と違うことを考えて、ランチ競争の中に入らないようにしないと生き残っていけません。

料理で差別化をしようとすればするほど、原材料費が上がるので懸命とは言えません。

例えば、通常の営業で定食スタイルで提供しているなら、ブッフェ形式にする。

などをして何らかの特徴をつける必要があります。

このように他店舗と正面切って営業せずに、ランチタイムで収益を上げることもできるので、色々試す価値はあると思います。

あなたのお店なりに、スタッフの意見を交えながら営業をしてみてください。