あなたがもし、売上自体が伸び悩んでいたり、さらに売上を上げていきたい、と考えているならば、付き合う人を変えないとお店の売上が上がるどころか下がっていく可能性があります。
なぜ下がっていくのかという理由は、同じ「思考」や「行動」の人たち同士で固まるからです。
ぜひとも思い出して欲しいのですが、あなたの学生時代、どのような友人と多くの時間を過ごしていましたか?
例えば。
学生時代に麻雀ばかりしていたら、周りの付き合う友人は麻雀が好きな人たちだし、街でナンパをすることが好きならば、そのような友人ばかりが周りにいたと思います。
このように、私たち人間は意識しないと、自分と同じようなタイプの人と群がってしまう生き物なのです。
まだプライベートなら、それでもいいかもしれませんが、それがあなたの給料や収入に直結する仕事の仲間や友人であればどうでしょう。
このページでは、ヤル気のある店主はなぜ付き合う人を変えなければ「売上を伸ばすことができないのか」を説明します。
飲食業界はとにかく狭い
飲食店の労働時間は今でこそ、労務問題が世間で騒がれるようになり、少しづつ変わってきています。
しかし、まだまだ労働時間に関して言うと、他の業界と比べても長いと思います。
労働時間が長いと当然ですが、同じ職場にいる同僚たちと一緒に時間を多く過ごすことになります。
一緒にいる時間が長ければ長いほど、あなたはその業界の慣習や技術などを、学ぶことはできるかもしれません。
でも、思考に関しては人の影響を少なからず受けることになるので、業界特有の隔たりのある考え方になっていきます。
仕事を覚えたい。
やりがいを見つけたい。
…など、夢を抱いて飲食業界に入ったと思います。
ですので、業界にどっぷり浸かるのはいいですが、独立開業しても今までの影響をそのまま引きずり、同じような思考の仲間から抜け出せない店主が多いです。
夜の営業が終わると飲み歩く友人が同業であったり。
仲の良い飲食メンバーのお店に集まり飲んでいたりと、いつも同業の人と時間を過ごしているので、それ以上の思考にはならないのです。
雇われと経営は別次元
お店を持つ前に一番考えなくてはならないことです。
今までは雇われとして、飲食業界に携わっていましたが、これからは経営者として飲食業界に関わって行くことになります。
自分のタイトルが変わるということは、必然的に社会的な役割も変わっていきます。
前述したように、雇われの時から付き合っている友人と開業してからも付き合っていると…
全てとは言い切れませんが、頭の思考回路が経営者として変わることができずに雇われのままとなる場合が多いように感じます。
雇われ思考のまま。
お店を経営して痛い目にあっている人が飲食業界にはとても多くいます。
開業から数年間はマスコミの影響もあり、そこそこの売上はキープできたものの、3年も経てば取材は来なくなります。
なぜなら、お店の周りには新しい新店舗や新業態ができて、お客さんは新しいお店に頻繁に通ってしまうので、その結果、あなたのお店はガラガラになっていきます。
冷静に考えれば分かることですが、ごく自然なことです。
しばらくは、なんとか頑張ることができても、運転資金を貯めることができなかったので、支払いが苦しくなり「ジリ貧の経営」となってしまう・・・
とても他人事では片付けられないくらい深刻な話です。
実はこの話は、私が昔から付き合いをしていた友人の話です。
その友人は独立開業をした途端にマスコミに騒がれました。
テレビにも度々出演をしていたので「自分は有名なシェフだ!」と業界では小さいお店ながらも影響力を持っていました。
お店が順調な時は、客席が20席足らずの小さなお店に5人も雇っていた時期があります。
外から見ても。
とても繁盛していることが分かりますが、人件費と食材原価に売上の利益の多くを割かれているので、実際のお財布事情は火の車です。
開業から5年を迎えた頃に、一緒に飲んでいた時に言われたことがあります。
『もうそろそろ限界もしれない。』
そのような相談をされて、私は料理のレベルを落として、スタッフを少なくしたらどうかと提案をしたことを覚えています。
本気で考えたようですが、彼は借金が終わる目処がつきそうな頃に、300万円ほど追加融資を受けていました。
追加融資してまで、自分の「コダワリ」を貫きたいようなので、そのまま見送ることにしました。
あれから2年経っていますが、彼からは経営が楽になった、なんて話は一度も聞いたことがありません。
同じ考え同士が固まっていても進展はない
上記でにも述べましたが、親しい友人でさえも私の苦言に耳を貸さず、自分のコダワリを大事にしています。
いっときは変わりかけましたが、やはり無理だったようです。
なぜかというと、困った時に頻繁に連絡を取り合っている仲間の言葉の方を、どうやら大事にしてしまったようです。
お互い似たような境遇なので、連絡を取りやすいことは分かります。
しかし、同じような経営状態なので、そこからどのように抜け出していくのか、という案やアイデアが出てこないのです。
こればかりは、どうすることもできません。
むしろ、苦言を言っている私の方が「悪者にされかねない」ので身を引きました。
少し極端な話を公開しましたが、人は同じ考えや境遇の人と時間を過ごすことで、自分の居場所を見つけようとします。
逆に一緒に時間を過ごす仲間が、繁盛店のオーナーや売上を伸ばしている店主であればどうなるでしょう。
単純に考えて、先ほどの話と逆に働くことが分かります。
仮に、あなたのお店が、付き合っている方たちと比べて繁盛していなくても、自然に繁盛店となることができるようになります。
この話を信じられないのも無理もありません。
飲食業界は視野が狭いので、自分と似たような境遇の人と固まりやすいので、見えてないだけなのかもしれません。
もし本気で繁盛店にしたいのであれば、いま置かれている環境を変えてみたり、誰と付き合うのか吟味した上で付き合うほうがいいかもしれません。
いずれにせよ、最後に決めるのはあなた自身です。
後悔のない人生にするために、いかなる時も客観性を磨いていたいものです。