飲食店をすでに数年の間、商売をされて年数が経ってくると経営方針で悩んだり、迷ったりすることは以前よりも多くないでしょうか?
そして常にそれらのことを心の中で葛藤しながら、日々お店を経営をしていることと思います。
もしくは、これから何か事業を始めたい、とか、脱サラで飲食商売を考えている、今まさに様々な可能性について調べている方もいることでしょう。
しかし、具体的に考えれば考えるほど、今の自分には足らない資金の面やスキルなどがあることに気がつき、二の足を踏んでいる自分に気が付くことが多いと思います。
それに、家族や両親もあなたが商売をすることに対して快く賛成してくれればいいですが、中には理解を得ることが難しく「もし、潰れたらどうするんだ」と潰れたことの心配ばかりをされてしまい。
あなたは次第に一度は「やる!」と決めた事とはいえ、自分にその商売が“やりきれるのか”又は“できるのだろうか”と不安になることもあるでしょう。
でも安心してください。
このような悩みや迷いは、あなただけはなく誰にでもあることです。
現在雇われて仕事をしていても、自分で会社を興している経営者でも悩みの次元は違えど、誰にでも迷いや悩みはあるものです。
これから、自分の可能性を信じて「進みたい」意志があるのに、なぜか精神的な問題がネックになって前進を妨げられている方は思いのほか多いです。
では進めない原因が分かり、周りに惑わされずに邁進できる、としたらどうでしょうか?
このページでは、好調時や不調時になぜか立ち止まり悩んで迷ってしまう。
そのような方に対して「失われたパッションを呼び起こす」または取り戻すことについて説明します。
何をしたくてその商売を始めたのか?
まずはこの問いを自分に向けてみてください。
もし、答えられないようでしたら、気になさらずにそのまま読み進めてみてください。
きっとこの先に、あなたが求めている何かのヒントが掴めると思います。
人はとにかく忘れやすい生き物です。
例えば、お聞きしたいのですが、あなたが今日から数えて、過去3日間の夕飯に何を食べたかパッと言うことはできますか?
このように質問をすると、殆どの方は言えないというか、“覚えていない”のです。
これは食事のことだから仕方がないのかもしれませんが、今の仕事を初めて3年目に覚えた仕事はいくつありますか?
この問いはどうでしょうか?ちなみに私は覚えていません。
こうして考えてみると、あなたが創業時や独立を志していた時のことを忘れていたとしても仕方がないと、私は思います。
ちなみに、人間は何か教えてもらった時から、20分あまり経過すると教わったことの58%程度しか頭に残っていないと言われています。
そして1時間経過すると44%になり、1日経つと33%の事しか覚えていないという結果が出ています。(エビングハウスの忘却曲線)
このような事実まで立証までされているので、「何をしたくてその商売を始めたのか?」を忘れても仕方がないと言えるでしょう。
とはいっても、これで片付けてしまったら、先に進むことはできません。
そのようなときにこそ、自分に聞いてほしいことがあります。
パッションと意義を探す
あなたが「これからやるぞ!」と思った時の「パッション」や「意義」はどこにあり行動してきたのか。を聞いてみてほしいのです。
なぜこのように自らの心に問いをするのかというと、悩んだり迷ったりしたとき、あなたを支えるのは、今行っている事業を始めたときの「パッション」や「意義」が心の底深くに残っているからです。
それに、今行っていることに悩んだり、迷うと言うことは、商売を始めたときから考えれば、年数が経つほど段々と自分の範疇を超えて、あなたが伸びようとしている「証」でもあります。
また、行動をしている過程で目移りしてしまい、周りから見られると右往左往している。つまり、商売を始めた初心を時間の経過とともに忘れてしまっています。
だけど安心していただきたいのですが、何かの拍子がキッカケで初心に振り返ることができれば、現在、悩み迷っている原因を見つけることができ、再び進むことができると私は思うのです。
キーワードは熊本にあった
私は、定期的にあか牛の故郷である熊本県を訪れています。
何をするために、わざわざ東京から熊本まで行くのかというと、あか牛のことを少しでも知り、触れ合うために行ってます。
なぜそこまでする必要があるのか不思議な方もいるでしょう。
日本には「和牛」と呼ばれている牛が4種類います。その中でも人気が高い牛は、あなたもご存知の黒毛和牛です。
言い忘れていましたが、私の肉好きのルーツは海外での修行時代まで遡ります。
肉料理の奥深さに触れたのは赤身のお肉でした。
当時は赤身のお肉の美味さに驚き日本に帰ったら「美味しいと思える赤身のお肉を探して店をしよう」という想いがあり帰国しました。
でも、日本国内にある飲食店のほとんどが黒毛和牛の「サシ」と呼ばれる霜降りの脂をウリにして、「噛まないくらい柔らかい肉」と称して商売をしています。
これは余談ですが、黒毛和牛も放牧をして運動をすれば赤身で美味しいお肉になります。食べると分かりますがとても美味しいですよ。
ブレイクスルーを起こす
よく思い返してみると、当時、独立開業をした一番の想いは「日本にある赤身の肉を広めよう」から始まっています。
一時はお店の経営方針を、どこに向けたらいいのか悩んだ時期もありました。
思うように売上が上がらない日々が続き、自分の得意の料理を作りその時期を乗り切ろうとしていたこともあります。
しかし、途中で気がつきます。「なぜこのお店を開業したのか」を自分に問いました。
自分自身に問いをしてから初心を思い出すことになり、同時にそこから得られた気づきもありました。
それから、お店の業績は良くなっていきます。今では、私のお店で出している「和牛赤身肉」を求めて、県外はもとより、遠くは北海道。そして九州の熊本に、若い時出張で行っていた、その時が懐かしいとおっしゃり来店してくれるお客様もいらっしゃいます。
さらに、「和牛で赤身肉は本当なの?」と強い関心と興味を持って来店される方もいます。
このような経験から、一つだけ言える事実があります。
それは、商売で悩んだり迷ったりしたら、この商売をすることになった「原点」を見直すことで、新たな自分の再発見につながり、すでに商売をしているならばブレイクスルーのキッカケになることでしょう。
いずれにしても、いまがスランプに陥っているだけでなにかのキッカケができれば、今まで想像もしないレベルへと進化発展することができます。
落ち込まずに前進あるのみですね。