多くの飲食店は売上を伸ばすために、どうしたらいいのかを考えています。
そして、成功していると思われる“繁盛店”が密かに実践している「売上が上がる方法」を探しています。
しかし、本当にそのようなモノがあるのか、ネットや書籍などで探しますが、自店舗にあった“売上アップ法”が見つかることはありません。
また、「この方法が一番このお店にはいいのかな」と、数ある集客方法を選り好みして少しだけやって見る方は思いの外多いです。。
少しだけ行動したから、ほんの少しだけ売上が上がります。
でも、その方法はすぐに集客効果がなくなります。
見込んでいた売上も逃すことになります。
「売上をあげたい」と店主やオーナーが思っていても、自分のお店が集客できる方法を見つけることのほうが、売上を伸ばすより難しいと思いませんか?
売上が伸びないと悩んでいるお店がある一方で、売上利益ともしっかりと出しているお店も世の中にはたくさんあります。
なぜ、他のお店は売上を伸ばしたり、利益を残すことができるのでしょうか?
その方法をこのページでは説明して行きます
集客よりも大事なこと
「売上をあげたい」「売上をもっと伸ばしたい」と思っている飲食店を“利益ベース”で見ると、トントンか少しマイナスになっているお店がとても多いことに気がつきます。
きっと、あなたの周りのお店の7割以上がトントンとマイナスを行き来しています。
少し数字の話になりますが、お店がトントンとは言ってもそれは“営業利益”の話であり、その利益から借入金の返済や税金の支払いは入っていません。
しかし、この数字には裏があります。
それはもし個人事業主であれば。
店主の給料を減らします。
そして、他の削れるであろう経費を削りまくって、何とかトントンの収支にしているのです。
図に記すとこのようになります。
よくこの図を御覧いただきたいのですが、お店の周りに様々な経費が店の周りを囲っているのが分かります。
これらは一般的に言われる飲食店の経費です。
まずお店の危機的状況を脱するためにどこを削るのかというと、家賃(地代)は、相手がいることなので簡単には削減できません。
原材料費を削ってしまうと、売る商品がなくなります。
さらに、飲食店にとって大事な商品を生産する必要があるので簡単には削減はできないのです。
人件費はどうか?を考えます。
ちなみにこの図の中で一番削りやすい経費はなんだか分かるでしょうか?
そう販促費です。
もし、あなたが販促費を削ろうと考えていたならば、トントン経営から一生抜け出すことはできません。
その理由を後述していますので、本気で売上を伸ばしたいのであれば先に読み進めてください。
それに、このような経費削減ばかりをしての経営で、本当の意味でこれはトントンと云えるのか疑問が残ります。
これだけは言えますが、まともにお店を経営していたら間違いなく“赤字”でしょう。
そのようなお店の店主やオーナーに「お店の何が足りていないから売上が伸びないのか分かりますか?」とお聞きすると、なぜか多くの方は“集客”と口にします。
どうして集客が必要と思うのでしょうか?
この質問に答えられる方は、常に売上のことから頭が離れない方です。
現在のお店が置かれた情況から早く抜け出したいと思っているのか、逆にもっと売上を伸ばして次の事業展開を実現するために考えているのか、どちらかです。
しかし、売上が伸びない“根本的な原因”を突き詰めて考えていくと、先ほどから話題に挙がっている“集客”ではないのです。
そのことを知らない店主は、ずっとトントンか赤字の狭間で際悩むことになります。
目標に向かう
もし、売上を今よりも伸ばしたい、とお思いになるなら。
具体的にいくらの「売上を上げたい」、「上げなくてはならない」のでしょうか。
このような質問をすると、多くの方はざっくりと「あげられるだけ」とか「いっぱい」など、とても抽象度が高いことを言われます。
残念ですが、この思考ではいつまで経っても売上は伸びていきません。
逆に売上が下がっていきます。
では、どのようにして売上を伸ばしていけばいいのかですが、とても簡単です。誰でもできます。
売上の目標を立てることです。
思い出していただきたいのですが、冒頭で質問した“答え”に具体性がなかったと思います。
つまり、いくら売上を上げたいと具体的な数字が出てきていないのです。
それですと売上は上がっていきません。
売上目標を立てることによって
「来月はこのくらいの売上を上げなくてはならない」
「この売上に向かっていきましょう」という目標がなければ売上は上がっていかないのです。
人は目標がない状態で行動をしようとしても、漠然としすぎてしまうので“統制”が取れませんし“ヤル気”も出てきません。
それに目標がないということは、その事業を行う「目的がないに等しい」こととなります。
継続して売上をあげる、などお金に感することもとても大事です。
しかし、あなたのお店は「何の目的を持って経営をしているのか」を示していかなければ、あなたを含めスタッフたちも、どこへ向かって行けばいいのか分からなくなってしまいます。
そして、売上目標を掲げるとき“売上達成率”も覚えておいたほうがいいでしょう。
売上達成率は前年比や先月比など他のデータと見比べるときに重宝します。
もしかして、社長であるあなただけは何となく「売上目標」だけはイメージしているか、はっきりとした目標があるかもしれません。
しかしながら、あなた一人だけが目標売上を掲げてもあまり意味がありません。
それよりも、働いてくれているスタッフに伝え、お店や会社が掲げる目標へ一緒に向かっていかなければ、スタッフも一生懸命になって仕事はしません。
皆の協力なくして、目標売上には届くことはできないのではないでしょうか?
売上を伸ばす大事なポイントとしては、目標を掲げて「スタッフと共にに向かう」ことです。
スタッフもその目標に向かい、何かミッションを達成したら“何か報酬をあげる”などをするとヤル気も出ます。
報酬はお金である必要はありません。
それに、あなたでは考えつかないような“新しいアイデア”が思いつくかもしれないのです。
セールスを怖がらない
世界的に見て私たち日本人は“セールスが苦手”と言われています。
欧米人などはセールストークが上手です。
自分たちの商品を買いたくない人は相手にもしないなど、徹底して相手を見極めながらセールスをして売上を伸ばしています。
では、日本にある飲食店は世界的、いや日本国内で見比べたらどうなのでしょう。
そもそも飲食店は一品あたりの単価。
そして飲み食いをしたトータルの客単価が他の業種と比べると低いです。
例えば、不動産屋と比べたらどうでしょう。
競売物件は別として、賃貸物件の仲介手数料やビル、マンション管理が不動産屋の主な収入源になります。
仮に仲介手数料が家賃の半額だと考えると、10万円の賃貸物件を一件制約できると、借主は不動産屋に仲介手数料として家賃の半額分の5万円を支払います。
しかし、不動産屋は貸主にも同程度の条件を提示して、契約を結んでいることが多いです。
だから貸主からも一件制約すると、仮に同じ仲介手数料だとして5万円がもらえるとしましょう。
ということは、10万円の賃貸物件1件制約すると貸主、借主双方から手数料が半分ずつ入るので10万円の手数料がもらえるということになります。
上記の例は10万円の貸し物件でしたが、これがもし、同じ貸し物件でも都内の一等地にある50万円の賃貸物件になったらどうなるでしょう。
あなたが想像した通りです。
これは不動産を例にしましたが。
あなたのお店に来店しているお客さんたちは、ここで例に出たような会社に勤め、経営して似たような商売をして給料をもらい、その中からあなたのお店を選び飲食代を払っているのです。
このように考えると、飲食店の客単価がいかに低いか、そして飲食経営自体が難しいのかが分かるのではないでしょうか。
しかし、これらは何もセールスなどをしていない飲食店の客単価です。
それが、セールスをすることで客単価が変わり、売上も伸びていくならばどのように思うでしょう。
トントン経営から抜け出し、売上を伸ばすお店に共通していることは、自ら進んで販促をしてセールスしています。
つまり、多くの飲食店が行っている逆を行っています。
だから経費を削るとき、絶対に販促費だけは削ってはならないのです。
では具体的に、どのような方法で客単価を伸ばすことができるのでしょう。
知っているところで述べると、メニューブック、サービス(セールストーク)POPなどがあります。
販促をして一度でも入店したお客さんを、何もセールスせずそのまま帰してしまうのはとてもモッタイナイことをしています。
お客さんだって数ある飲食店の中から、あなたのお店を選んだわけですから、当然食事も含めて楽しみたいと思っています。
お店側からどんどん楽しめる提案をして、お客さんに喜んでもらったほうがいいのではないでしょうか?
セールスすることに対して罪悪感をお持ちになっている人もいます。
それはセールスを大きく誤解しています。
楽しみに来店しているお客さんに楽しめることをを案内したり進めないほうが悪です。
お客さんに楽しんでいただいた対価として売上が上がるわけです。
来店しているお客さんも、勤めている会社ではセールスをして給料をもらっていると、考えれば良いのではないかと私は思います。
売上が伸びないではなく、売上を伸ばすためにやるべきことをやる。
販促費だけは絶対に削らない。
このような心構えがあれば、あなたが掲げた目標売上に届きます。
必ずできると思うことです。
あなたならできます。